2005年6月18日
なぜ「鏡心」を面白く感じなかったのか?
「鏡心」を観て、面白くなかったと書いてしまったのだけども、なんで面白くなかったんだろ?とちょっと考えています。
実際の作品を観る前に、ほぼ日での対談や公式サイトを見て、どうやらこの作品は、かなり抽象的なもので、ストーリーとか展開とか説明なんて何もないものだと勝手に思い込んでいたようです。で、実際に観ると、抽象的なカットもあるけど、ちゃんと話も運ばれている。きちんと方向のあるエンディングに到達しているという所が想像と違っていたので、面白くないと感じたのだと思います。
上映後のトークショーで、老婦人の「ピンと来ない」と言う発言も、私とは想像していた方向がまったく違っているのだけれど、それと実際の作品との距離があったので同じくそう感じたのかも知れません。
石井聰亙監督はトークショーで「ここでこっちの方向も極限までやっとかないと…」的な発言をされていました。石井聰亙監督の作品を全部観ているわけじゃないけれども、作品によってテンションが随分違っています、石井聰亙=ハゲシイ路線だと「爆裂都市」「逆噴射家族」「ELECTRIC DRAGON 80000V」、それとは対極の静寂路線は「ユメノ銀河」「エンジェル・ダスト」、その両方をやってみたのが「五条霊戦記」と私は感じます。で、「鏡心」はどうなのかと言うと、そのどれとも違っていると思うのです。
なぜ、ここで、こういう作品を撮ろうと思ったのか?なぜああいう構成にしたのか?これでOK!と思った時の監督の気持ちってどんなだろ?と考えながら観ると、かなり違って楽しめたのではないか?と今は感じています。
これは、I ask U も同じで、何も説明されないで普通の「映画」と同じように観ていると面白くないと思います。でも、この人は、なんでこれを撮ろうとしたんだろ?とか、すごい緊張してるな〜とか考えながら観ると、めちゃくちゃ面白いのです。これハズかしかっただろうな〜とか。
目の前に見える映像のみで楽しむエンターテイメント作品も、もちろんアリ。でも、写っているところでない部分を想像しながら楽しむ作品の方がおもろい―今、そんなふうに思っています。で、「鏡心」もそっちの作品だと思い、観たらそうじゃなかった。それだから面白くないと感じたのだと思います。
ただ、民生機のカメラを使って、miniDVで撮影した映像にはびっくりしました。ものすごくきれいなのです。今までも、何本かminiDVで撮影した商業映画を観たことはあったのですが、「あ〜DVだもんな〜」というものが多かったのですが、「鏡心」は、そういう箇所はありませんでした。そこは一見の価値ありです。しかも、ほぼ自然光で撮影されているそうです。スゴイ。(記/農宗)
2005年6月18日 18:50
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