2005年1月14日
カメラを武器にする男
マイケル・ムーアはカメラを武器に、アメリカの銃社会やブッシュ一族と闘っている。実は、日本にもカメラを武器に、いや、凶器に根深い問題と闘っている監督がいます。
渡辺文樹。彼の作品で描く問題は、かなり独自の解釈で展開されています。役者には、親戚のじいさんや、老人会の人たちに協力を呼びかけ、時には騙してひっぱりだし、台詞を噛もうが聞き取れなかろうが、おかまいなし。あまりにネイティブな福島弁のため、邦画でありながら字幕が付いていたり、上映に至っては、題材が題材だけに直前で上映を拒否され、それにめげず、ガラスを割って建物に侵入し、無理矢理上映しようとしたところ逮捕されたりしています。
そんな渡辺監督が「罵詈雑言」という映画の中で言った言葉。
「カメラは武器じゃないですよ」
福島の原発事故と、とある事件を結びつけたこの作品で、関係者の事務所にいきなりカメラを担いで突撃した監督に事務員が「なんですか!そんなものを振り回して」と言ったことに返した言葉なのですが、事件の真相ではなく、自分の主観だけで、表層にいる人たちをどんどん引きずり出している映像を観ると、どう考えても武器なのです。
いや、マイケルムーアと違って、問題の背後ではなくて、彼が捉えた標的全ての人を傷つけていく様から凶器と言っていいでしょう。
彼は自分の作品を持って、全国を回り、自分の手で上映をしています。
自分の思ったことを作品にし、自分の力で上映する。
いかに凶悪であろうとも、究極の自分発という姿勢はスゴイと思います。
(記/農宗)
2005年1月14日 00:48
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